国家賠償訴訟

事件の経緯と裁判の最大の疑問点  ~記載されなかった信義則の主張~

私が伝えたいことは、①国家賠償訴訟がいかに裁判官の主観に左右され、証拠に基づかない非科学的な手法によって導き出されるか、②被告席には必要以上に多い行政関係者、傍聴席も行政関係者のみ、原告は私一人という法廷においては、裁判官の判断は極めて行政寄りになってしまい、公正・中立なよい裁判が受けられないということなど、私の裁判での体験から得られた国家賠償訴訟の実情を、みなさんに知っていただくことであり、本件における労働基準監督署や会社の対応を批判することに重点を置くものではありません。
しかし、事件の事実関係を正確に理解していただくことは、裁判所の判断の正当性を検証するために、不可欠なことですので、下記に、一審判決書で原告(私)が主張する事実関係として記載されている内容を掲載します。(一審判決書の原告が主張する事実関係については、ほぼ私の主張が網羅されています。)


1 原告が主張する事実関係等(一審判決書より) 

(1)当事者

(2)原告による電話相談
原告は,夫が本件工場で毎月100時間を超える時間外労働をしていたため,の健康状態を心配し,平成12年7月25日にいわき労働基準監(以下「いわき署」という。)に匿名で電話相談を行った。同署の職員に夫の勤務状況を説明したところ,対応した同著の職員は,それはひどい状況で何とかしなければならないので,是非会社名を教えてくれと言った。
原告は,労働基準監督署に勝手な調査をされては困ると思い,このような相談があった場合,どのように対応するのか質問したところ,同職員は,「夜の8時ころなどに会社を訪れ,遅くまで残っているものがいれば指導する。」 ということであった。原告は,その程度であれば問題がないだろうと思い,
会社名を伝えた。原告は,同職員から,事業所の規模,役職,部署,人数等について詳しく聞かれ 原告は手元にあった社員名簿をみて詳細を答えた。
原告が「ここまで言えば名前を言ったのも同然ですね」と言ったほどであり,ほぼ,電話をした者の特定が可能な程度の情報を提供した。
翌日には,富岡労働基準監督署(以下「富岡署」という。)はいわき暑から引継ぎを受けた。


(3)監督署職員による臨検
富岡署の職員A(以下「A」という。)は,原告の電話連絡からおよ そ3か月後の平成12年10月18日,(2)の電話の際の原告への説明とは異なる昼間の時間帯に,本件工場に臨検した。その際,Aは,本件会社側に対して,匿名の告発により査察に入った旨を伝え,本件会社社員に対し,遅くまで残業しているものがいないか尋ね,入退管理システムのチェックは行わずに社員の申告に基づく残業の記録を提出させた。その記録によれば,4人はど残業の多い者がいたが,それほど問題にする状況ではなく,Aは,残業手当が適正に支払われているかを調査した。この臨検の直後から,本件会社の管理職らは,労働基準監督署に告発を行った従業員を捜し始めた。富岡署の是正勧告に基づき,同年12月7日には,に過去3か月分の未払賃金42万9800円が支払われたが,その際,他の管理職(管理職は就業規則上時間外手当は支払われないことになっている。)には是正勧告がされず,告発を行った従業員が特定される要因となった。

(4)その後の富岡署職員らによる対応
ア 原告は,平成12年12月14日に,いわき署に電話連絡をし,同署への相談がもとでが退職することになったことについて抗議の電話をしたが,これに対し,同署の署員は,富岡署に伝えておくとの応答をしたが,結局,原告が富岡署に出向くまで一切連絡はなかった。
イ 原告とは,平成12年12月26日にAと面接したが,その際,Aは,未払賃金はしっかり支払わせる,全社的に調査を行う,社長を刑事告発するなど不正をしっかり取り締まるという趣旨の話をし,原告とも,それなら本件会社を辞めても悔いはないとの思いをもったが,同日の説明のような対応は一切取られなかった。
ウ は,上記(3)のとおり,本件会社の管理職らから嫌疑を掛けられた上,非難をされて,本件会社を退職することを余儀なくされ,平成13年2月15日に本件会社を退職した。富岡署は,平成13年2月16日の再度の臨検を経て,2年前までさかのぼっての是正勧告を出し,それを踏まえ,Aがと会社との間に入って電話や面談で金額の折り合いをつけるための交渉をしてきた。交渉中,本件会社は,に対し,退職の再検討を促す説得・働きかけを行ったが,そのころ,Aが「会社から説得されないでくれ。会社から説得されたせいで,今まで何度も告訴告発がダメになった。」などとしばしば言っていたため,は,退職の意思を貫いた。平成13年3月27日に至り,A立会のもと,原告と,本件会社の担当者との間で時間外手当の件で交渉を行ったが,その場でAは,の計算した金額である300万よりもはるかに少額である230万円でかつ,民事上,刑事上の請求権を全て含んだ形での和解を勧めた。Aの仲介により,本件会社に有利な和解が成立することとなり,が本件会社に復職する機会が完全に奪われる結果となった。


(5)福島労働局等の対応
原告は,平成14年7月,福島労働局に本件についての調査及び説明を電話で求めたが,応対した同局のBの回答は,「やることはやった」,「ケースバイケース」の繰り返しであった。原告は,行政評価事務所に相談し,同事務所から指導を受けたBは,同年11月に,再度説明を行ったが,内容は従前とほぼ同様であった。
原告は,平成15年1月28日,厚生労働省に質問書等を送付したが,回答はなく,再三の問い合わせの結果,同年夏になり,福島労働局の専門監督官C(以下「C」という。)より連絡があった。Cは,文書での回答を拒否し,原告から強引に夫の連絡先を聞き出した後は,横柄な態度で支離滅裂な電話を頻繁に掛けてきた。原告は,Cの行為について,厚生労働省の担当者に訴え,Cを担当からはずし,質問書に回答するように再三要求した。同年12月末,いわき署で,福島労働局監督課長Dは,厚生労働省としての解答を示したが,その内容は,従前のBの回答とは異なるもので,重要と思われる質問への回答は拒否された。


※平成12年10月から平成13年3月の会社との示談の至るまでの経緯については、私と夫が、記録しておいた甲第5号証に基づく主張によるものです。


 私の電話相談と、夫の退職との因果関係 

1 原告(私)の電話相談
   ・ 目的は、夫の長時間の時間外労働の解消であった。
   ・ 匿名での相談であった。
   ・ 労働基準監督署の対応方法をの確認した上で会社名等を伝えた。
   ・ 労働基準監督署の職員の早急に対応しなければらないという
     説明に促され、質問に答えた。
2 電話相談に対するいわき署の返答
   ・ 夜間に会社を訪れ、長時間労働をしている者がいたら指導する。
    (被告準備書面にも記載されているとおり、労働者の長時間労働の
     実体を究明するためには、夜間臨検監督が監督が効果的
     である。)
   ・ 夫の長時間労働の状況から、早急に対応しなければならない。
     そのためには、会社名を、是非、教えてほしい。
   ・ 事業所の規模,役職,部署,人数等、本人が特定できるほど詳しく
     質問した。


上記1,2より
労働基準監督署は、本件会社に対し長時間労働解消のための指導を早急に夜間実施すべきであった。

ところが、いわき署から連絡を受けた管轄の富岡署の対応は

① 本件以前に行った本件会社に対する是正勧告(乙A第2号証)
   との間隔を空けるために、本件に関する対応を約3か月遅らせた
   (一審被告第1準備書面)。
② 昼間の時間帯に調査に入り、長時間労働を把握するための入退管理
   システム(タイムカード)の調査を行わずに、比較的容易に違反が
   発見できる時間外手当の調査に安易に切り替えてしまった。
③ 多数の該当者がいたにもかかわらず、未払い賃金に関する是正勧告
   を夫に限定して行ったため(乙A第5号証)、相談者が特定されて
   しまった。
④ 一度で済むべき是正勧告を、期間を分割して二度にわたり行った
  (乙A第5号証、乙A第8号証)。
⑤ Aは、私達に対し、「会社から説得されないでくれ。会社から説得された
  せいで,今まで何度も告訴告発がダメになった。」などとしばしば言って
  いた。


以上のように、被告が提出した書証からも明らかなように、
私が電話相談の際に伝えた夫に関する情報が、労せずしてより多くの是正勧告を行うために、Aにより恣意的に利用されたことが、問題の発端である。

本件会社が違法行為をしていたことはさておき、富岡署からこれらの行為を受けた本件会社は、未払い賃金の是正による収益の減少の懸念、多数回に及ぶ是正勧告により本件会社に対する評価が低下することの懸念、社長の責任問題等、私の電話相談に沿った対応が行われた場合と比較し、相対的により大きな痛手を受ける結果となった。
それが、夫に対する、社長からの暴言・本件会社からの厳しい非難となり、これら本件会社の行為が、夫の退職を決意させる大きな要因になった。


 裁判の最大の疑問点

以上のように、被告提出の書証などからも、私の電話相談に基づく富岡署の対応と夫の退職との間に、密接な因果関係があることは明らかです。
それにもかかわらず、一審、二審判決ともに、このような因果関係についての具体的な内容には、一切触れられてていません。
さらに、一審準備書面、控訴理由書、上告受理申立理由書のいずれにおいても、信義則の判例を示し、本件の場合にも適用されるべきであるということを主張してきましたが、
いずれの判決文にも、信義則の適用の当否の判断についてはもちろんのこと、そのような主張を私がしていることすら、一切記載されませんでした。

特に、一審で、裁判所の事実整理案を確認した際、信義則の主張をしているにもかかわらず、そのことが盛り込まれていないことに気がついた私は、上申書で書き加えるよう求めたのですが、無視されてしまいました。
さらに、上告受理申立理由書では、本件と事実関係が極めて類似した判例を示して、信義則の主張をしたのですが、上告不受理となってしまいました(このことに関しては、後で詳しくお話します)。

本件のケースと、信義側の判例のケースでは、どこが異なるのか、私には、全く理解しかねます。
あえて、このふたつのケースに違いがあるとすれば、それは、国家賠償訴訟と民間人同士の裁判の違いぐらいでしょうか・・・・。
このことについては、裁判所に明確な説明をしていただきたいと思っています。



 『私が信義則の主張をしていることすら、判決書に盛り込まれなかったこと』、このことが、『裁判の最大の疑問点』かもしれません。


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