偽ニュースと最高裁判決は 同じ手法
児童買春の罪で罰金刑を受けた男性が、「インターネットで自分の名前などを検索すると当時の記事が表示される」として、グーグルに検索結果の削除を求めていた裁判です。
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一審のさいたま地裁は、一昨年、「忘れられる権利がある」と判断し、グーグルの検索結果から逮捕に関する記事の削除を命じる決定を出していましたが、東京高等裁判所は、昨年、表現の自由、知る権利など公共の利害にかかわるとしてグーグルに削除を命じたさいたま地裁の判断を取り消し、最高裁の判断が注目されてました。
これに対し最高裁は、先週、「検索結果の提供が違法かどうかは、当該事実の性質や内容、プライバシーの被害の程度、記事の目的や意義などを比較して判断すべき」としたうえで、「プライバシーを公表されない利益が優越する場合に、削除が認められる」との判断を示しました。
今回の男性の申し立てについては「明らかに優越するとは言えない」として削除は認められなかったということです。
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検索結果については、「表現の自由」や「知る権利」と、プライバシーの観点からの「忘れられる権利」との兼ね合いが注目されるところですが、今回、最高裁判所が「忘れられる権利」には言及しなかったものの、プライバシー保護との関係に初めての基準を示したことになります。
「忘れられる権利」については、この訴訟の二審判決が出された昨年に7月に、当ブログでも取り上げています。
とりわけ「忘れられる権利」が乱用されていはならないのは、国家権力による犯罪です。
安易に「忘れられる権利」を認めたなら、国家権力によって拡大解釈され悪用される懸念があります。
政府の犯罪行為については、検察や裁判所が組織的に隠蔽し、多くの事件が握りつぶされています。また、それら権力を監視することを使命としているはずのマスコミもほとんど機能しておらず、加害公務員は野放しのまま、また同じような不正行為が繰り返されているのが現状です。
捜査機関や裁判所、マスコミが機能していないからこそ、被害者、当事者、関係者個人が加害公務員の氏名や事件の経緯を含む詳細な情報を発信することで、更なる犯罪の抑止にもなりますし、加害公務員の排除を促すことになります。
乱用されてはならない「忘れられる権利」
最高裁は当たり障りのない事件については妥当な判断をする一方で、国家権力が関与する事件や米国隷属の政策を脅かすような訴えについては、法律や憲法、手続法、判例を無視した不当な判断をします。
国家ぐるみの訴訟詐欺は2本立て!!
上告不受理・上告却下は偽装裁判!!
『まやかしの国家賠償制度』を証言してくれた救世主 瀬木比呂志氏の「絶望の裁判所」
国家による「訴訟詐欺」が また裏づけられました
田中角栄氏の「暗黒裁判」
最高裁判所自らが判例違反をしているんじゃないの!
当たり障りのない事件について、一般の人が共感するような妥当な判断をすることで、司法がいかにも機能しているかのように見せかけておいて、国家権力や国家のシステムなど根幹にかかわる重要な訴訟についても、適正な判断をしているかのように見せかけているところが、実に狡猾なところなのです。
まさに、最近話題のフェイクニュースと同じ手口です。
本当のニュースの中に嘘のニュースを紛れ込ませることで、偽ニュースを事実であるかに思い込ませる手法です。
トランプ大統領が、頻繁に大手メディアの報道をフェイクニュースだと批判していることが影響しているのか、日本でも昨年末あたりから、新聞やテレビを中心にフェイクニュースに関する言及が多くなってきています。
ネット上では、かなり以前から既存メディアの情報は信用できないというのが常識的な認識でしたが、最近になって、既存メディアが、ネットには嘘の情報が多いということを盛んに言い始めたように思います。二項対立の様相を呈してきました。
ネット上にあふれる真実の情報に、既存メディアが相当な危機感を感じていると考えられます。
前の記事で、池上彰氏の発言に疑問をもったということを話題にしていますが、その池上氏が日経新聞のコラムで、「偽ニュース」について次のように書いているということを、Jin様から情報提供していただきました。
コラムから一部抜粋します。
「(偽ニュースを信じ込ませるために)巧妙な工夫が凝らされていました。偽ニュースを量産するニュースサイトが次々に作られ、本当のニュースを多く掲載しながら、偽ニュースを紛れ込ませていたのです。」
池上さんの言動も、まさにこの手法なのではないでしょうか。
池上彰氏出演の「あさイチ」が変でした!! ~世論操作の巧妙化~
堤未果氏の「政府はもう嘘をつけない」という本に、大量の情報を取捨選択し、真実をより分けるためのコツは3つあるということが書かれていますので、紹介します。
① お金の流れをチェックする(テレビ局の株主や番組の広告スポンサー、出てくるゲストのバックグラウンドなど)
② ニュースや誰かの発言などに違和感を覚えたらそのままにせず、多方面から情報を集めてみる
③ 直感を鈍らせないために、定期的にデジタル断食をする
これらに留意し、偽ニュースに騙されないよう、国民ひとりひとりが賢くならなければなりません。

出演者から推測すると、この番組の内容自体がフェイクでなければよいと思いますが・・・・。
興味津々です。
2017年2月6日(月)放送
フェイクニュースSP トランプとメディア ~“真実”分断社会の衝撃~
2017年2月7日(火)放送
フェイクニュースSP 拡散する“フェイク”をどう見分ける?
出演は、池上彰、デーブ・スペクターです。
※ 放送直前になって、番組テーマのタイトルが変更されているようです。



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