原発事故

福島県甲状腺検査のデタラメ

原発事故後に行われている福島県の甲状腺検査で、データが恣意的に集約され、デタラメな調査結果の下に、専門家による評価が行われているのではないかということが明らかになってきました。

福島県が行っている甲状腺検査については、私も以前から関心があり、これまで様々な資料等に目を通してきましたが、総合的に見ると、データ収集の手法に問題があり、大きく次の2つの分けて考える必要があります。
一つは、甲状腺がんと診断される子供のカウントの仕方の問題、もうひとつは、甲状腺検査の精度の問題です。
前者では検査結果(患者数)を恣意的に集計することで、後者では、精度の疑わしい検査を実施することで、患者数を実際より少なくする操作が行われているのではないかということです。恣意的に調査することで、甲状腺がん、あるいはその疑いがある子供たちが、相当数、見落とされ、原発事故による甲状腺の影響が極めて矮小化されて公表されているのではないかと推測されます。


数の誤魔化し
山本太郎が4月14日の参院・東日本大震災復興特別委員会で指摘していますが、事故当時4歳だった男児が甲状腺がんと診断され摘出手術を受けていますが、実際には、カウントされていなかったことが判明しました。
なぜ、このようなことが起こったのでしょうか?


検査のプロセスは次のようになります。
一次検査で全員が超音波検を受けます。そこで、しこり・のう胞が見つかり、大きさや状態から、BあるいはC判定(A1,A2,B,Cのうち)とされた場合には、二次検査に進みます。
二次検査では、再度の超音波、血液検査、尿検査を実施し、更にガイドラインに照らし医師が必要と判断し、患者も合意した場合には、穿刺細胞診に進みます。そこで悪性ないし悪性疑いとなれば、人数が報告されるということです。


男児は、福島県民健康調査の甲状腺検査で2次検査を受け、経過観察中に、個別の保険診療で甲状腺がんと診断され、県立福島医大で手術を受けています。

環境省は、保険診療でも県立医科大で手術された場合は、その情報は県民調査検討会に報告されると説明するが、4歳児のケースは報告されおらず、矛盾が生じます。
その理由は、原発事故に起因する甲状腺がんであることを隠蔽するために、意図的に4歳児がカウントされなかったのではないかということが、次の記事からうかがえます。

原発事故当時4歳の子どもも甲状腺がんに データ非公表認めた福島県立医大の欺瞞

悪性であるか否かが明確になる穿刺吸引細胞診を受ける機会は2通りあります。
前述のような県民健康調査の二次検査の一部の対象者と、もう一つは経過観察中に医療保険診療で受けた場合です。
どちらでも悪性と診断される患者がいるにもかかわらず、公表されるのは県民健康調査の片方だけになっているということが、4歳児のケースから知られるようになりました。


前述のヤフー・ニュースからの抜粋です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
医大が公表していないと認めたのは、2次検査でいったん経過観察となり、その後、甲状腺がんと診断された患者の数。2次検査ですぐに甲状腺がんと診断された患者以外、いわばグレーゾーンの患者すべてがこの中に含まれる。福島県の公表データによると、その数は、実に2500人超にのぼる。これまでに県が発表してきた悪性疑いのある甲状腺がんの患者数は185人(内1人は良性と確定)だが、これよりはるかに多い患者が存在する可能性がある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

精度の低さ
甲状腺検査の精度に問題があるのではないかということが、ある資料からうかがえます。
2015年12月の資料なので最新の情報ではありませんが、2011~2013年度に行われた先行調査を受診したのは30万人で、2014年度から開始された本格調査では役20万人が受診したということです。
本格調査の2次検査で、癌または癌の疑いと判定されたのは39人ということですが、その39人の先行検査の結果は、A1が19人、A2が18人、Bが2人でした。
山梨大学第3内科の志村浩巳氏の自験例では、腫瘍の平均径の年間変化は、良性群で+0,2±0,3㎜/年、悪性群で+1,3±0,5mm/年で優位の増加がみられたということであるが、初回21㎜以上の群では3,7±1,4mm/年と増大速度が速くなっているということです。
先程の本格調査で発見された39人の甲状腺癌もしくはその疑いの腫瘍径は、5,3~30,1mm 平均で9,6mmであったということですので、なぜ先行調査は見つからなかったのか解析が待たれるということです。
(広島保険医新聞2015年12月・第478号 「福島県甲状腺検査本格調査の現状」より)


これらの事実から、検査方法にも問題があるのではないかということが疑われます。
事故当時、福島県内に住んでいた子どもたちだけでも、公表されている数よりはるかに多くの甲状腺がんやその疑いが予測されます。放射性物質の拡散状況からも、その周辺地域や18歳以上の人たちについても拡大して調査をする必要があるのではないでしょうか。


政治的な問題になりますが、原子力発電をやめられない背景には、原子力の軍事的利権と、高い電気料金の裏に隠された経済的利権に群がる政治家、官僚、財界の闇の構造があります。
福島の甲状腺検査の結果は、安倍政権が進める原発政策に大きな影響力を及ぼすことは間違いありません。
国民の命や健康より、軍事や一部の人たちの利益を優先する安倍政権の正体を知らずに過ごしている国民は、一刻も早くこの実態に気がつくべきです。

この問題については、今後も、折を見て取り上げたいと思います。




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motomasaong

ご指摘通りです。

物理IIぐらいの知識があれば、
放射性同位元素の半減期を学びます。
放射性ヨードの半減期は約3日。
従ってわずか2週間後には、
15÷3=5ですので、
2の5乗分の1即ち、
32分の一にまで低下してしまい、
ほとんど放射線が検出されなくなります。

福島事故の直後に、
少なくとも2,3日以内に内部被爆量を調べないと、
どれだけ被爆した下のデータが取れなくなるのです。

こんな事は、
物理を学んだ人間なら常識ですから、
福島原発の管理者が、
知らぬはずがありません。

何故、子供達の検査を、
三週間以上経ってから実施したのか?
意図的にそうしたのです。
放射能が検出されないように。

それを誰一人として、
指摘しない事の方が、
私には驚きです。

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ろーずまりー

Re: motomasaong 様

放射性ヨウ素の半減期は8日だったと思いますが、この時期は震災と原発事故の影響でインフラが機能していませんでしたし、検査体制がまったく整っていませんでした。
そもそも原発が爆発するということ自体、想定外で、政府も危機管理がまったくできていなかったのです。
精度の高いホールボディカウンターで検査しても、検出されるのは一部の放射性元素だけです。
住民に知識がないことをよいことに、次々と避難地域を解除し、汚染地帯に戻るよう仕向けています。
既に健康被害が出ていると思いますが、ほとんど報道されることはありません。

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