裁判全般

最高裁判所事務総局によって誘導される 結論ありきの原発訴訟

広島、愛媛の住民が、伊方原発3号機の運転差し止めを求めた仮処分申請の即時抗告審で、広島高裁は今月13日、住民の申し立てを却下した今年3月の広島地裁の判断を取り消し、四国電力に運転差し止めを命じる決定を出しました。
高裁レベルの差し止めの判断は初めてということで、注目に値する決定を出した野々上友之裁判長は、本日20日に定年退官を迎えます。
退官間際の裁判長が素晴らしい判決を出すというのは、これまでも度々言われていることですが、野々上裁判長については、これまでも素晴らしい判決を出してきたことが経歴で紹介されています。

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野々上裁判長
今回の即時抗告審では、原発の安全性について四電側と住民側に繰り返し質問。住民側の弁護団は「国と四電側の言い分をうのみにせず、踏み込んで説明を求めるなど審理は充実していた」と評価する。
広島地裁総括判事だった2009年3月、被曝者による原爆症の認定申請を却下した国の責任を認め、国家賠償を命じた。同月には、原爆投下直後に被曝者の救護、看護のため広島市内の救護所などに滞在した「三号被曝者」の被爆者健康手帳交付申請の却下処分を巡る訴訟で広島市の処分を違法とし、原告7人全員を被曝者と認めた。
(12月14日付 中国新聞より一部抜粋)

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ちなみに、2011年3月11日の東日本大震災の前に、住民が原発の運転の差し止めや設置許可差し止め等を求めた18件の原発訴訟のうち、裁判所が原告の請求を認めたのは、わずか2件しかありません。
2003年1月のもんじゅ訴訟の名古屋高裁金沢支部の控訴審判決(川崎和夫裁判長)と、2006年3月の志賀原発訴訟の金沢地裁判決(井戸謙一裁判長)で、いずれも稀にしか起こらない事故の可能性や、行政庁の安全審査の内容まで踏み込んだ画期的な判断となっています。
しかし、残念なことに、川崎和夫裁判長は、川崎家裁所長に左遷になり、名古屋高裁金沢支部判決からおよそ2年後、定年まで6年余りを残して依願退職しています。井戸謙一裁判長は、金沢地裁判決から5年後、弁護士転身のため依願退官しています。


これらの例は、元裁判官である瀬木比呂志氏の「ニッポンの裁判」、p138の 「2 統制されていた原発訴訟」から紹介させていただいていますが、瀬木氏は、「現在の日本における裁判所のあり方を前提とするならば、福島原発事故以前のこの時期においてこのような判断を行うことは、退官の時期や転職の現実的な可能性までをも視野に入れた上でなければ、難しかったのではないかと思う。」と述べています。

東日本大震災後は、差し止めを認めた判決・決定は、関西電力高浜原発3、4号機(福井県、3号機は当時稼働中)を巡る昨年3月の大津地裁の仮処分など地裁での4例で、震災前と比べ、比較的住民の請求が認められやすくなっています。

このような判決・決定の傾向は、起こるべくして起こったというわけではなく、最高裁判所事務総局が、原発訴訟について、きわめて露骨な却下・棄却誘導工作を行っていた結果だということが、前述の「ニッポンの裁判」で詳しく述べられています。

その司令塔のような役割を果たしているのが、事務総局の主催する裁判官協議会で、「上意下達、上命下服会議、事務総局の意向貫徹のためのテコ入れ会議」に近いということが書かれています。
裁判協議会は、民事局や行政局がテーマを決め、一部の裁判官には情報提供や根回しを行ない、「やらせ」のようなことが行われているといいます。そのテーマに沿った事件を担当している裁判長は必ず出席者に選ばれ、誘導工作が行われます。協議の結果は、事務総局により「局見解」としてまとめられ、全国の裁判官に絶大な影響力を及ぼすことになるといいますから、結論ありきの裁判を、最高裁事務総局が誘導していることになります。


1976年10月と1988年10月の裁判官協議会では、原発訴訟について、それぞれ、「原発の安全性が高いと考えれば原告適格は狭く解してよい」、「原発訴訟については行政庁の専門技術的裁量を尊重し、それに合理性があるか否かという観点から審査をして行けば足りる」という局見解が述べられ、、却下・棄却の方向性が示されています。
それらは、その後の1992年の伊方原発訴訟、2005年のもんじゅ訴訟の最高裁の判断の枠組みとなっおり、下級審判決の大半も、判決理由は前述の局見解や最高裁判決とそっくり同じになっているといいますから、原発訴訟自体が結論ありきの茶番のであることがうかがえます。


さて、大震災後についてはどうかといいますと、2014年5月に福井地裁(樋口英明裁判長)で、大飯原発の運転差し止めの判決が出ています。
これについては原発事故を踏まえた世論の動向に沿った判断であったほかに、原発事故後の2012年1月に、司法研修所で全国の裁判官35名を集めて行われた研究会で、原発訴訟について方針転換を行っていたことが挙げられています。
最高裁が、原発事故を防げなかったことに対する国民からの批判をかわそうと、事務総局が表に出ない形で、裁判所当局の意向として裁判官をコントロールするために開催されたのではないかと瀬木氏は考えています。


原発訴訟のみならず、他のテーマの裁判でも、同じような最高裁事務総局による判決・決定の誘導が行われていることはいうまでもありません。
憲法第76条3項には「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。」と規定されています。この憲法の規程を信じ、裁判所が公正な判断をしてくれるものだと期待して提訴した国民は、時間と労力を費やした挙句、訴訟費用まで騙し取られるという、正に訴訟詐欺の被害者であるのです。

最高裁(≒詐欺組織)の餌食をおびき寄せる最高裁判断
国家ぐるみの訴訟詐欺は2本立て!!

一般の詐欺なら捜査機関が犯人を捕まえ、裁判にかけた上で処罰を与えてくれますが、憲法違反の最強の詐欺集団である最高裁は、何食わぬ顔でのさばり続け、今後も新たな被害者を生じさせることになります。
すべての証拠が出そろっているにもかかわらず、国民の批判を無視して首相の座にしがみついている安倍首相とも重なります。
北朝鮮や中国を笑えない前近代性が、国家の根幹にこそ潜んでいることに国民は気がつかなければなりません。




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