国家賠償訴訟

国家賠償法の対象を政治家にも拡大し 損失補填させることが 政治腐敗の抑止力となる

夫婦の老後資金として公的年金以外に「30年で2000万円が必要」とした金融庁の報告書問題は、様々なところで波紋を呼んでいます。これとは別に金融庁が独自に行った試算でも「30年間で1500万~3000万円必要」と提示しており、麻生氏がいくら否定しようとも、まぎれもない事実のようです。
金融庁「老後最大3000万円必要」独自試算 WGに4月提示

公的年金制度が創設された当時と比べて平均寿命が伸びているせいだという言い訳めいた意見もありますが、そのようなことは、とっくに分かっていたはずです。
過去には「消えた年金問題」もありましたし、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による公的年金資金の株式での運用についても、利益が出ているのか、損失が膨らんでいるのか、よくわかりません。何しろ、政府の出すデータは信用できないからです。


公的年金資金に限らず、国民から徴収した税金や、国民の財産が杜撰に管理されている例は後を絶ちません。
異例ずくめの手続きで進んだ森友・加計問題、安倍首相のお友達企業への優遇。国会審議から逃れるために海外を頻繁に飛び回り、そのたびに、多額の経費を国民の税金から海外にばらまいています。それでも、国民のために成果が現れれば文句は言いませんが、ほとんどが失敗。これまで築き上げてきた信頼関係を損なうようなものばかりです。
また、トランプ大統領のご機嫌を取るために、十分な検討もされないまま大量の戦闘機の購入も予定されています。
これらの行為を実行するためには、超法規的な手続きと、それをサポートする官僚や取り巻きの忖度なしでは実現できません。
国民の財産が湯水のごとく無駄に使われたとしても、誰も責任を取りませんし、損失が補填されることもありません。
言いかえれば、年金資金の杜撰な運用、税金の無駄な使い道については、仮に国民に損害を与えたとしても、公務員個人に対し損害賠償請求されることはほとんどないということです。
これこそが、政権への忖度、杜撰な資金の管理、国民の利益にもならない不備だらけの制度の導入等が行われる温床になっていると思われます。


一応、国家賠償法第1条2項は、公務員個人に対する求償権を規定しています。

国家賠償法
第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。


ところが、最高裁判例が、それを否定しています。
判例(最高裁昭和53年10月20日判決・民集32巻7号1367ページ)では、国が国家賠償法1条1項の責任を負うとした場合には、その責任主体は国であって、公務員個人に対して損害賠償請求をすることができないとしています。
ここでも、政府に忖度する最高裁の姿勢がうかがえます。


違法行為をして損害を与えた公務員が、損害賠償責任を負わないのはおかしいのではないかと思うかもしれまが、行政法の本によれば、それは次のふたつの(政策的な)考え方によるということです。
① 加害公務員に賠償金を支払うだけの資力がなければ、被害を受けた私人は賠償金を得ることができなくなるので、行政が賠償責任を負う。
② 公務員が賠償責任を負わされたのでは、公権力の行使が消極的になってしまい、それは公共の福祉のために決しての望ましいことではない。
(『行政法入門(藤田宙靖著、有斐閣)』 参照。)

公務員に都合がよいように作成・適用されている国家賠償法 (一審・3)

それにしても、ここまで政治腐敗が進行している状況では、国家賠償法の対象者に、公務員ばかりではなく政治家も含めることを明記し、個人の賠償責任についても明確に定める必要があります。
もちろん、裁くのは裁判官だけに任せておくわけにはいきません。国家賠償訴訟、行政訴訟のような裁判にこそ裁判員制度を導入し、国民の意思を反映させなければなりません。

刑事責任を問う刑事裁判でしたら、起訴するかどうかは検察の専権事項ですが、国家賠償訴訟や行政訴訟は、国民であれば誰でも訴訟を提起することができます。裁判所も、訴状を受理せざるを得ないのです。
昇進のために政府に忖度して違法行為をするのか、あるいは、損害賠償請求されることを懼れて法令を遵守し適正な公権力を行使するのか、天秤にかけるとすれば、たいていの者は後者を選択するのではないでしょうか。
政治腐敗と公務員の不正を抑止するためには、国家賠償法の改正と、裁判員制度の導入は不可欠です。



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T_Ohtaguro

>加害公務員に賠償金を支払うだけの資力がなければ、被害を受けた私人は賠償金を得ることができなくなるので、

自賠責保険契約の強制と同様、資力が不足する損害を加える結果が予見可能である場合、保険契約の強制を行うべき。
原発も同様。

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T_Ohtaguro

>公権力の行使が消極的になってしまい、

自由のもたらす恵沢の並立的確保に必要な公務を履行しない不作為、並立を妨げる作為、何れも、公共の福祉〔自由のもたらす恵沢の並立的確保〕に反する。

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ろーずまりー

Re: T_Ohtaguro 様

強制的に保険契約をさせるというのは、グッド・アイディアですね!!
そういう制度が必要だと思います。

「公権力の行使が消極的になってしまい」というのは、加害公務員が賠償責任を負わないようにするための単なるこじつけにしか思えません。



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民族・国籍・出自に関わることは全く関心がなく、これを騒ぐ輩らを疎まく感じている、しかし柏市戸籍改ざん事件に始まる事件屋巫グループ(裁判正常化道志会)との抗争から、怖々と真相を探り得た結論は背乗り事件は起きているである。この事実を裁判書面で証明した功績は自負している。

背乗り事件防止に出生地の記載は必要 吉田卓朗事件
http://suihanmuzai.com/index7/190630.jpg.html


虚偽告訴から実刑判決となり、控訴中に誣告者から損害賠償訴訟を提起された、そこで反訴すべく刑事の私選に相談したところ、これで虚偽申告の狙いが判ったと言いながら、提訴は放置すればよい、後で取り戻せるから、これを信じて応訴しなかった、控訴棄却となり刑務所に収監中に相手は自己競落調書を送ってきた、満期出獄したら何もかも無くなって、誣告者須崎と男(佐藤登)は、現在まで所在不明となっている、この不明者らを提訴出来たから真相が解明された。

私選弁護人二人が投獄に加担して虚偽告訴事件を揉み消した
http://suihanmuzai.com/index7/190628.jpg.html

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